革のカーテン

革を取り扱っている会社の依頼で、革のカーテンを作ってみました。
“布と同じ要領で出来るかな”と、安易に考えて受けましたが、やってみないと分からない問題がたくさん出て来ました。

一つ目の問題は革の大きさです。当然のことながら一枚革のサイズはその動物のサイズで決まってしまう。ということ。
四足動物の場合、展開図にした形はいびつな星型のようになっています。それをカーテンにするためにはまず四角形に切り出さなければなりません。今回の革は“豚さん”でしたが、最大で100×70センチ程度のものしか取れません。写真の革カーテンで6頭分!。布の場合は原反が約50メートル巻きで、必要な分だけ切り出せばよいので、水平方向の巾継ぎはいりませんが、革だとその必要が出てきます。巾継ぎ自体は問題ありません。が、カーテンの柄合せのように縫い目の位置をタテヨコ方向とも合わせようとすると、縫い目の十字路ができてしまいます。そこが問題で、布よりも厚い革が何重にも重なると、そこだけが分厚くなりモッコリとしてしまいます。

二つ目は先にも触れた“革の厚さ”です。これもまた考えてみれば当然なのですが、超天然素材ですから厚さが不均一なのです。厚い部分は張りが強く、薄い部分は弱いのです。カーテンに仕立てた場合、薄くて弱い部分に力が片寄り、ウェーブが均等に出ないという状況になります。革の製造工程での“伸ばし”という方法で厚さの調整もできるとのことでしたが、カーテンの縫製工程と革の製造工程が交錯しそうで、ちょっと難しいかなと。

その他いろいろと問題ありでしたが、ずいぶん勉強になりました。

革のカーテン