房かけの取付高さによって、カーテンの印象がどのように変わるかを、下のイラストで描いています。一般的には『中央より少し下』『上下2対1の割合』などと言われています。
イラストはすべて同じ丈のカーテンで、パーセンテージは房かけの位置ではなく、カーテンの上下比率を表しています。
房かけの位置によって、このセットアップしたカーテンの形は随分変わります。一般的にいえばBからC程度がバランス的に良好な範囲かと思いますが、この範囲でなければならない、というものではありません。目指すインテリアイメージに合わせてセッティングするのが良いでしょう。カジュアルな雰囲気にしようとすれば、Aのようにやや高めにセットしてもいいですし、クラッシック・エレガントの方向なら、Dのように“ゆったりした”イメージを感じるセッティングが似合います。
また、EのようなセッティングはDとは逆ですが、クラッシック・エレガントに加え、デコラティブ・ラグジュアリーといったフォーマルな方向にも向いています。
ただ、気を付けたいのは『房かけの高さ=カーテンの上下寸法』ではないということです。房かけとタッセルの先端との高さは違うので、房かけの位置を指定する時は注意が必要です。
また、Fのように同じ房かけの高さでも、房付きやロープタイプと共布タッセル(G)とでは長さが違うので、ずいぶん印象が違いますし、生地の厚さ・ボリューム、カーテンの仕上り幅寸法(幅が広ければ厚みが増す)の違いでも変わってきます。
房かけを取付けるときは、カーテンを吊って使用するタッセルで仮にセットして、バランスを見ながら高さを決めるのが最良の方法です。
あまりお薦めはできませんが、やむを得ずカーテンに先行して房かけを付けるような時は、一般的なサイズの窓であれば、カーテンの上下分岐点から共布タッセルなら5㎝程度、房付き・ロープタイプ(サイズがまちまちなので注意)なら10㎝程度上方に付けると、だいたい狙ったプロポーションになります。
房かけは水平方向の取付位置も重要です。レールのエンドランナー(機能性レールならキャップストップのリング)から垂直に降ろした線(H)に付けて、カーテンの脇のラインが直線になるのが理想的(C)です。その方が、窓枠などに付ける(I)のと比べ採光面積も大きくとれますし、好みにもよりますが、きれいなプロポーションになります。きれいに見えるカーテンの写真・カタログなどのほとんどは、上記の位置に付けています。
その位置だと石膏ボードの壁面に付けるようになるので、マンションなどGL工法の場合、“しっかりと取付けできるのか?”と思われるかもしれませんが、房かけの場合、カーテンレールなどと比べ大きな負荷はかからないので、房かけ用のアンカー(石膏ボード用の取付部材)を使用すれば問題はありません。
カーテンホルダーやアームホルダーの場合は、房かけとは逆で、内側から支える形になるので、なるべく窓枠寄りに取付けます。カーテンの纏まり分がすべてホルダーの外側に溜るので、オーバーラップ(壁とカーテンの重なり代)を大きくとる必要があります。一般的なアームホルダーの幅が15~16㎝なので、Jのようにそれ以上は確保したいところです。
レール幅が狭い(オーバーラップが小さい)と、カーテンを纏めたときにKのような形になってしまいます。
また、アームホルダーは正面の幅が決まっているので、カーテンを纏めたときの生地ボリュームが大きいときは、ホルダー内に収まりきらないことがあります。あまり幅の広い窓や横方向の張りの強い生地を使用する場合は注意しましょう。