FABRICA

オリジナルスタイル TEXT 清水 正哉

普通の横開きカーテン(レギュラーカーテンと呼ぶこともあります)以外のものを、一般的に『スタイルカーテン』と呼んでいます。スタイルの中でも、上下に開閉する『シェード』類、フリルやトリム等を多用した『スカラップ』『センタークロス』などの類、窓・カーテンの上部を横方向に展開する『バランス(上飾り)』類に大別できます。
スタイルカーテンも細かい仕様などの違いを含めれば、数え切れないほどありますが、ここでは当社オリジナル(※)のスタイルをご紹介します。
※当社で考案したスタイルですが、結果として既存のものに類似していることもあるかもしれません。ご了承ください。

バランスの丈は一般的に、“カーテン丈の12~18%が適切”と言われています。ただ、マンションなどで梁により成約を受けている場合に、必要なバランス丈を確保できないことがよくあります。そこで“丈が短くても窓全体のプロポーションが崩れない”ように考えたのが、左のバランスです。バランス上部にボリュームを持たせ、下部をリボンテープで引き締めることによって、逆台形的なシルエットを形成し、全体のプロポーションが間抜けにならないよう配慮しました。大げさ、かつ恐縮ですがギリシャ建築の“オーダー(柱・柱頭)”を参考にしました。こんなモノです。

バランスの中でも形状で大きく分けると、裾が直線的なものと曲線的なものの二つに分けられます。前者はボックス(箱ヒダ)・プリーツ・ギャザーバランス等のタイプ(もちろんカットすれば裾は曲線になりますが)で、比較的安価にできます。後者はスワッグバランスを中心としたタイプで、それなりにコストがかかります。
上の写真は、直線系のギャザーバランスをアレンジして、裾を曲線にしたものです。ギャザーバランスにリボンを加えただけなので、比較的にローコストでお洒落にできます。

バランスについて

左の写真はレースのシャープシェードにフリルで装飾したものです。シャリ感のあるボイルにオパールプリントのボイルをアクセントに加え、シックエレガント・デコラティブモダンといったイメージを追求しました。ウェディングドレスのような、透け感のある立体的な造形が印象的です。
フリルは縦・横・斜めと自由に配置できるので、窓の大小・形状にとらわれず、どのような窓にでも合うデザインが可能です。もちろん、横開きのカーテンでも同様な装飾を施せます。『ありきたりなスタイルカーテンやバルーンシェードでは物足りない』、『レースをメインにして、ドレープはプレーンなもので』とお考えの方には検討していただきたいスタイルです。

“キャノピー”と呼ばれるベット廻りのカーテンは、スタイルの自由度が大きく、そもそも定型らしいものは無いようなので、これをオリジナルと言うには気がひけますが、キャノピーのヒダ部分にギャザーでボリュームをもたせ、三か所のリボンをアクセントにしています。縫製自体は普通のカーテンと変わりませんし、カーブレールを天井に付けるだけなので、見た目ほどコストもかからないので、是非いろいろな形で試していただきたいスタイルです。

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